【第5回ライター講座】冷静に客観的事実を伝えよう

文章には客観的事実を中心にしたものと、そうではないものがありますが、役に立つ記事というのは客観的事実が多く含まれるものです。

一方で、優れたギャグやエンターテインメント性のある記事には、客観的事実はあまり見られません。人の心をくすぐるために、客観的事実は必要事項ではないからです。

もしあなたがギャグやエンターテインメントを目指すのであれば気にする必要はありませんが、人の役に立つ記事を提供したいと考えているならば、文章を書く際に「客観的事実」を意識した方がいいでしょう。

しかし、急に「客観的事実」なんて言われても、どうしていいやら分からないと思いますので、まずは客観的事実がある文章とない文章を比較して見てみましょう。

例①

客観的事実ありバージョン:
シェフが大切にしているのはフランス人が食べても納得する正統派のフランス料理。そのために基本となる火入れやソースには特に気を使う。

客観的事実なしバージョン:
シェフが大切にしているのは正統派のフランス料理。そのために手間暇を惜しまずに心を込めて作っている。

例②

客観的事実ありバージョン:
ボローニャでは生パスタを中心に技術を身に付け、アルバでは肉料理をはじめとしたイタリア料理をトータルで学び、2年の滞在の後に東京へ戻った。

客観的事実なしバージョン:
ボローニャとアルバそれぞれの地でイタリア料理をトータルで学び、しばらく滞在した後に東京へ戻った。

例③

客観的事実ありバージョン:
「うちの断熱性能の最低基準はHEAT20のG2基準にしており、Q値=1.3、UA値=0.34以上の断熱性能を持つ家をつくっています。それにより、ヒートショックが起こらない家にしています」

客観的事実なしバージョン:
「うちは断熱性能に気を遣っており、高断熱の家をつくっています。それにより、健康を害さない家にしています」

いかがでしょうか?

同じようなことを言っているようですが、情報の質が全く違うことにすぐに気づいたはずです。

客観的事実が盛り込まれると、具体性が増し、情景がイメージできたり、本気度が伝わってきたり、温度感や生々しさが伝わってきたりするものです。

客観的事実を伝える上で最も簡単なのは、数字で表現することです。

「昨日はとってもとっても寒い日だった」ではなく、「大寒波が訪れた昨日は氷点下6度まで下がり、過去10年間の最低気温を更新する記録的な寒さの日だった。家の水道管が凍る程だ」と言った方が寒さが伝わるのです。

逆に、話し言葉で使われることが多い感情任せの表現は、文章では大したことを伝えることができません。

「お昼に食べたラーメンがめっちゃくちゃ辛かったです」ではなく、「今日のお昼に、新潟県内で一番辛いと言われているラーメン屋に行って、10段階ある内の最高レベルの辛さのラーメンを注文したんです。店員の制止を振り切って注文したら、想像を超える辛さで半分も食べられませんでした。今ものどがピリピリして、午後は水を飲みながら仕事をしています」と言った方が、そのラーメンがどれくらい辛いのかを伝えられますし、「そんな辛いラーメン屋、自分もちょっと行ってみたいな」と読者に思わせることができます。

「めちゃくちゃかっこいい」「やばいうまい」「すごかった」などを意図的に感情を入れ込むのに使うのはいいですが、客観的事実を用いて説明をすることで、自分が見える景色を読者にも共有することが大切です。

ただし、全ての説明に丁寧に客観的事実を盛り込むと、長くくどい文章になりますので、これをしっかり伝えたいんだという時にここぞとばかりに使いましょう。何事もメリハリが大切です。

ABOUTこの記事をかいた人

Daily Lives代表。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影と、コンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。紙媒体・WEBのコンテンツ制作を行う。趣味は旅行・アウトドア・温泉。