私は2006年~2011年の期間、東京・市ヶ谷の出版社に勤め、2012年~2018年の期間、新潟市の出版社に勤めていました。
東京での勤務先は自宅から約1.5kmの距離だったので、徒歩で20分程度掛けて通勤していました。
新潟での勤務先は自宅から約5kmの距離だったので、車で15分程度掛けて通勤していました。
世の中の一般的な通勤時間がどれくらいかは分かりませんが、片道1時間かけて職場へ通勤する人も珍しくないでしょうから、私の会社員時代の通勤時間は比較的短かったと思います。
そもそも通勤に時間・気力・体力を奪われたくなかったので、職場に比較的近い住居を選んできた結果でもあります。
そして、2018年の秋に独立してからは自宅の一室が職場になり、通勤時間は0分になりました。
ここで職住一体の働き方のメリット・デメリットを考えていきたいと思います。
職住一体のメリットは?
最大のメリットは、やはり通勤時間がゼロであることだと思います。
通勤時間に片道1時間をかけている人は1日2時間、1カ月で(20日勤務として)40時間(=1.6日)、1年で480時間(=20日)を通勤に消費していることになります。
それが何年も何十年も続くのって、すごく大変なことじゃないでしょうか?
通勤時間が気分転換になったり、英会話のリスニング学習の時間になったりという話も聞きますが、「できれば通勤時間が短ければいいのに…」と思う人の方が多いのではないでしょうか?
さらには、車の運転や公共交通機関での移動で仕事が始まる前から疲れてしまうということもあるでしょう。
度々起こるダイヤの乱れや事故渋滞で到着時間が読めないという心的ストレスもあります。
その点、職住一体ではそのような悩みは皆無です。自分を律することができれば、一瞬にして家に居ながら仕事モードに入ることができます。
忙しくて仕事漬けになってしまう時期が、通勤時間がないことのメリットを最も感じる瞬間です。
どんなに忙しくても、通勤時間がないことで十分な睡眠時間を確保しやすくなるからです。
また、インフルエンザなどの感染症に掛かるリスクも抑えられますし、移動に伴うエネルギー消費や二酸化炭素排出も抑えられます。
通勤をしないことは、SDGsな働き方とも言えるのではないでしょうか?
何より、SNSやチャットサービスの進化により、非対面できめ細かいコミュニケーションが取れる時代ですから、何が何でも毎日会社に全員集合しなければ…という前提は職種によってはもう不要なのではないかと思います。
職住一体のデメリットは?
逆にデメリットですが、外に出る必要がなくなるため運動不足に陥りやすいことです。
また、一人で作業をしていると没頭するがあまり、ずっと同じ姿勢で居続けることになります。
これらは気をつけないと、長期的に見て健康に大きな悪影響を与える可能性が高いと思います。
また、職場に自分以外の人間がいないことで、人によっては孤独感に苦しむこともあるでしょう。
運動を意識的に1日の流れの中に取り入れて習慣化することや、孤独感に心が揺さぶられないメンタルを持つことが重要です。
まとめ
これからの時代は「職住一体」と「職住分離」を対立する概念にして考えるのではなく、企業や個人にとってこの2つを最適バランスにすることで、さまざまな課題が合理的に解決されるのではないでしょうか?
都市への一極集中や地方の過疎化を抑えたり、通勤ラッシュを緩和したり、家族や個人の時間を充実させたりと、社会も個人もラクになれる働き方。それが「職住一体」をうまく取り入れることだと思います。