【第4回ライター講座】インタビュー取材をしてみよう

前回の第3回ライター講座では「人の役に立つ情報を提供すること」の重要性に触れました。

そして、そのためには自身が持っている業界のプロ知識を活用し、潜在顧客が知りたい情報を提供することが大事という話をしました。

しかし、そこで提供できる話はあくまで自身のキャパシティの範囲内。それを超える情報を提供することはできません。

そこで、自身の能力外の情報を提供するにはどうすればいいか?

それは、他者にインタビュー取材をして記事を書くことです。そう、それはプロのライターが日々やっていることでもあります。

インタビュー取材のコツ

インタビュー取材には当然コツが必要です。最初に断っておくと、難易度は高めだと思います。

丸腰で取材に出掛けて、ポイントを押さえずに記事を書いても伝わりやすい文章は書けないでしょう。

では、何をすればいいかを、なるべく再現しやすいようにお伝えしたいと思います。

①取材依頼前に相手のことを調べる

まず最初に取材依頼をする前に相手のことをよく知っている必要があります。なぜ取材をしたいのか?どんな話を聞きたいのか?を取材相手に伝えないと、相手は趣味に付き合わされているような気持ちになるでしょう。貴重な時間を頂くのですから、まずは取材相手のことをよく調べてから望む必要があります。

②質問リストを準備しておく

取材にOKをもらい、取材日時が決まったら、当日の質問リストを作成します。ある程度具体性があった方がいいので、10個程度の質問項目を作っておいた方がいいでしょう。取材相手もどんな質問をされるか当日に分かるよりは、事前にある程度把握できた方が安心できたり、整理された回答がしやすくなるものです。

10個つくった質問リストのうち、5個程度を伝えておくといいと思います。

また、さらに細かい質問項目をメモのようにつくっておけば、後から「あれを聞くのを忘れていた…」と慌てることもなくなります。

また、質問リストの順番を考える際は、あらかじめ文章化する時の順番にしておくと、後からスムーズに文章を書くことができます。

③取材時には質問リストの流れに沿って話を聞く

取材をしていると、相手によっては話が脱線し盛り上がることがあります。相手が気持ちよく話している時に強引に話の腰を折るのはいいことではありませんが、インタビューでは記事になる話を深めていくことに時間を使いたいものです。

タイミングを見て、相手が不快に思わない程度に話を戻すことが大切です。脱線を続けて相手が散々話した後に本題を改めて聞こうとすると、もはや相手が集中力を切らしてしまい、本来聞きたかった話があまり出てこないということがあるので注意が必要です。

また、メモの取り方は人によって違いますが、録音した音声を後で聞くことを前提にメモをほとんどとらないライターも居れば、常に話を聞きながらペンを動かし続けるライターもいます。(ちなみに私は後者です)

いろいろな方法を試して自分に合ったメモの取り方を見つけるのがいいと思いますが、基本的には録音はしておいた方が無難です。

録音はスマホに入っている録音アプリでOKです。また、取材中に電話が掛かってこないように、必ず機内モードにしておきましょう。

④伝わりやすいように話をまとめながら文章化する

取材が終わり、その後に文章をまとめる段階に入ります。

まず全体の流れは質問リストを作成した時点でできているので、その流れを基本とします。気になる部分は順番を入れ替えてもいいです。

そして、取材メモを見て重要なポイントをマーカーで囲んでいきます。すると、全体を通して取材相手が何を伝えたかったかが浮かび上がってきます。

そこから文章化をしていきますが、私の場合は、メモと記憶を頼りにして音声を聞かずに書き始めます。その際に、一言一句相手が話した言葉を再現するわけではありません。

相手が伝えたいエッセンスを読み取り、伝わりやすいように編集しながら文章化をしていきます。

しかし、相手が好む言葉のニュアンスというものがありますので、そこをチェックするためにポイントポイントで音声を聞き直します。

⑤推敲を必ず繰り返す

文章は書いたり直したりを繰り返して出来上がるものですが、文章を書きあげてから1日寝かせて翌日にもう一度読むようにしてください。

冷静かつ客観的な頭で見直すと、おかしなところが必ず見つかります。この少し時間を置いてチェックし推敲し直すという作業を3回くらい繰り返して完成です。

時間を置いてチェックするので、完成までの時間は掛かりますが、チェックと推敲自体はそれほど多くの時間を掛けてやるものではありません。

他の仕事に影響しないように記事制作を進めて行きましょう。

⑥取材先へのチェック依頼

文章が完成したら取材先へのチェックを依頼し、気になる点を指摘してもらい、修正して完成です。

インタビュー取材がうまくいくと、読者にとって役に立つばかりでなく、相手との信頼関係も深まるものです。

決して簡単なことではありませんが、ある程度文章を書くのに慣れてきたら、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

ABOUTこの記事をかいた人

Daily Lives代表。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影と、コンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。紙媒体・WEBのコンテンツ制作を行う。趣味は旅行・アウトドア・温泉。